2016年10月6日木曜日

WEB版『森へおいでよ』第1回 「むしとの遭遇」


2016年9月から毎週木曜日、西日本新聞筑豊版にて、われわれ筑豊の自然を楽しむ会、ちくぜんらくの「はかせ」たちが、それぞれの分野について、筑豊の自然と人の関わりなども織り交ぜながら自然の楽しさをお伝えする「森へおいでよ」というコラムを連載しています。せっかくなので、筑豊の自然の楽しさをこちらでもお伝えして行きたくて、西日本新聞社さんの許可を得て、1ヶ月遅れではありますが、WEB版としてこちらで公開してまいります。白黒だった写真もカラーで鮮やかにお届けいたします!
筑豊版を読めなかった方々もぜひこちらでお楽しみください!
…もしかしたら、紙面では語れなかったことなども飛び出すかもです〜
紙面の連載と同じようにほぼ週1回で公開して行きたいと考えています。
どうぞ、こちらもよろしくお願いいたします!
では、まずは第1回 むしはかせです〜どうぞ!!!

   むしとの遭遇   

〜さあ,魅惑の世界へ


 今回から,筑豊の自然を楽しむ会(略称:ちくぜんらく)による連載が始まります。筑豊の自然について,人との関わりを絡めつつ,それぞれの分野のメンバーが独自の視点でアカデミックに紹介していきます。

 むしと触れ合う人の表情は,どうしてこんなにも豊かなのか。それは,むしの世界が多彩だからに違いない。

 小さい子にはキリギリスが動くだけでも十分に楽しいが①音を出すとなると「なんだこれはっ!」と驚きをともなう喜びに変わる。大人にとってはうるさいだけのセミでも②。
①ニシキリギリス
②アブラゼミ
小学生はむしを自分で捕まえる。校庭にたくさんいるバッタを「捕ったよっ!」と嬉しそう。この表情を見たくて一緒にむし採りをする③。
③ショウリョウバッタ 

 慣れてくると,ちょっと珍しいくらいでは驚かない。「チョウはこう持つんばい」という自信が表情に表れる。この成長が頼もしい④。
④オナガアゲハ

 近頃見なくなったと噂されるタマムシも,慣れた人は手の上を普通に歩かせ「ほら!早く写さないと飛びますよ」と余裕の行動予測。こんな大人がもっと増えればいい⑤。
⑤タマムシ
 知らないことに出くわすこともある。大きなカミキリムシを捕らえると「チィチィチィ」と音を出す。「へぇ,こんな音出すんだぁ」これでまた一つ,テストにも出ないことを覚えた。こういう積み重ねが本当の勉強といえる⑥。
 ⑥ノコギリカミキリ
 コメツキムシは,つかまれると「パチッ,パチッ」と音を立てて体を曲げ伸ばしする。くわえた鳥は驚いて落とすかもしれないが,初めてつまんだ人は「えっ!」という驚きの表情になる。こういう表情も楽しい⑦。
⑦フタモンウバタマコメツキ 
 大人にとってセミの抜け殻など珍しくもない,と思いきや,小さいセミの抜け殻を見て「かわいいっ!」という表情になる⑧。大人にも新鮮で楽しいことが,ちゃんとある。
⑧ヒメハルゼミ

 もっと慣れると,子供たちがセミをとまらせにくる。セミの方も慣れたもので,鳴きわめくのをやめて落ち着く。もう,ほとんど木の境地か⑨。
 ⑨アブラゼミ㊥とクマゼミ㊤㊦

 綺麗な蛾をとまらせて,「2016むしコレ!」とか言い出すと,もう中毒の域⑩。
 ⑩アカハラゴマダラヒトリ㊤とモンクロシャチホコ㊦

 むしの世界は多彩で奥深い。のぞき込んだが最後,このわくわくする世界からは抜け出せない。これから魅惑の世界にいざなっていこうと思う。

(筑豊の自然を楽しむ会・岸本×太)

   
撮影場所 ①嘉麻市 熊ヶ畑ひまわり畑 ②⑥⑩筑豊某所 ③⑨飯塚市立菰田小(菰田児童クラブ) ④⑤⑦宮若市 ルリユール(日吉藝術小学校) ⑧飯塚市 サンビレッジ茜(茜もりもり会)

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