毒キノコ
〜採るな食べるな危険!
観察会で子供達がきのこを見つけると「これドクキノコ?」とよく聞かれる。やはりきのこを見つけると毒キノコかどうか気になるようだ。そこで今回は観察会などで見られた毒キノコを紹介したいと思う。
①ドクツルタケ |
ドクツルタケ①は真っ白なきのこで,森の妖精といった雰囲気で生えている。ただ見かけとは裏腹に非常に強い毒を持っており,欧米では「死の天使」と呼ばれている。きれいなものには毒がある,このきのこには決して手を出さないように。
②オオワライタケ |
オオワライタケ②は初秋に笠城ダム公園で見られる。真黄色の株立ちが薄暗い森の中でひときわ目立つ。このきのこは多食すると狂騒状態になるそうだが,苦くて食べるどころではない。
③ヒゲシビレタケ |
ヒカゲシビレタケ③は飯塚市内で見られた。幻覚作用があり,マジックマッシュルームなどと言って出回っていたようだが,麻薬として規制されているため,持っていると警察沙汰になってしまう。
④キシメジ |
⑤キチチタケ |
キシメジ④,キチチタケ⑤は古い図鑑だと食用と記載されているものがある。私も食用だと思い,これらのきのこを油いためにして食べたことがあるが,翌日ひどく腹をこわしてしまった。最新の図鑑ではどちらも毒キノコとして記載されている。
⑥スギヒラタケ |
スギヒラタケ⑥も以前は有用な食用きのこであったが,今は毒キノコとなっている。
食用か有毒かは常に見直されているので,図鑑やインターネットで最新情報を入手するとよいと思う。
⑦カキシメジ |
⑧タマゴタケ |
最後にカキシメジ⑦とタマゴタケ⑧を紹介しよう。
どちらが毒キノコだと思う?
正解は・・・
カキシメジ。
一見派手なタマゴタケの方が毒キノコに見えるのではないだろうか。
毒キノコかどうかは一つ一つ覚えるしかない。
これら毒キノコは珍しいものではなく,森の遊歩道沿いなどに普通に生えているので,知らないきのこは,くれぐれも採って食べようなどとは思わないこと。
(筑豊の自然を楽しむ会・きのこはかせ・弓削田和広)
ちくぜんらくのきのこはかせによる、きのこのお話。。第1回目でした。
いかがでしたでしょうか?なかなか奥深いきのこの世界。。。子供達もきのこをひとつ見つけだすと、次々見つけるようになって、ハマる子が続出です^^
実は、、、さらに奥深く。。と〜っても細かい話なんですが、ちょっと大事なお話。
「きのこ」か「キノコ」か文字にしてみるといろいろと奥深い議論がでてまいりました。。ここで、ちょっとした裏話を。。。
「きのこ」か「キノコ」か文字にしてみるといろいろと奥深い議論がでてまいりました。。ここで、ちょっとした裏話を。。。
〜「きこの」?「キノコ」??(岸本×太)
「きのこ」,「キノコ」の表記については, 学者たちでもどうやら統一は取れていない気がします。因みに, 相良直彦先生は「きのこ」と書くべき,と主張していました。「 きのこ」とは,分類学的には寄せ集め的なものの通称なので, 片仮名で書くべき学術用語ではない,ということなのでしょう。 ただ,現実には学術っぽいところでも「キノコ」 という表記も見受けられます。というわけで,「きのこ」も「 キノコ」も,まあ,使っていいという認識なのでしょう。
その上で,本文で両者が混在しているのは,別の意味を持ちます。 「きのこ」を原則としながら,「毒キノコ」 は目立つようにしたい,という著者の意図です。さらに,冒頭の「 ドクキノコ」は,会話中なので,ということです。
「きのこ」という表記について,
例えば,
1.老舗の「日本菌学会」では, 菌という用語で基本的には統一を図っていますが,
その一方で,学会主催の観察会の案内などで,「菌類(きのこ・ カビ)」という表記を用いています。
2.比較的新しい「日本きのこ学会」では, 学会の名称そのものが「きのこ」です。
3.その他,日本農薬学会, 日本植物病理学会などの細則や報告などでも「きのこ」です。
上記の例に上げた学会は,
おそらく,我々一般人よりも菌類について造詣が深く,
また, 菌類やその関連分野を扱う学問における先導役を果たすもの, と考えます。
そのような彼らにおける「きのこ」という表記の使用は,
決してテキトーなものではなく,
「カビ」というカタカナ表記との同時使用を鑑みても
歴とした理由を持ったものである,と考えます。
当方が若かりし頃,
相良直彦先生から習ったことも含めて,
その理由を挙げておきたいと思います。
1.「きのこ」は,生物の分類単位としての名称ではない。
生物の世界では,分類学的にまとまりがある場合には,
その生物群の名称は,カタカナ表記をすることとなっています。
(例えば,チョウは, 鱗翅目のアゲハチョウ上科とセセリチョウ上科(近年, シャクガモドキ上科も追加)という近い分類群の総称です)
一方,「きのこ」は近縁のものの集まりではなく, 寄せ集めのグループです。
これをカタカナ書きをすることは,近縁の分類群の集合体である, という誤解を与えることとなります。
2.「きのこ」は生物名ではない。
「きのこ」は,菌類の作る子実体に付けられた名称です。
つまり,生物につけられた名称ではなく,状態を表す語である, ともいえます。
従って,1.と関わることですが,
「きのこ」とは, 子実体を形成するという共通点だけでまとめられた集まりを表す語 ということになります。
シイタケ,キツネノチャブクロ,キクラゲという, 分類学的にはおよそかけ離れたもの「きのこ」 という1語でくくっています。
さらには, ムラサキホコリカビまでも入れてしまうことすらあります。
しかし,彼らは,子実体を作る,という1点では共通します。
このことは,菌類学者たちの用いる言葉にも反映します。
「マツタケが子実体を作った」というかわりに,「 マツタケがきのこを作った」という表現をしたり,「マツタケは微生物です」と言ったり。。。
今回は、新聞の連載上では、「キノコ」というカタカナ表記が新聞表記で決まっている, とのことでカタカナで表記することになりました。。
その上で,本文で両者が混在しているのは,別の意味を持ちます。
「きのこ」という表記について,
例えば,
1.老舗の「日本菌学会」では,
その一方で,学会主催の観察会の案内などで,「菌類(きのこ・
2.比較的新しい「日本きのこ学会」では,
3.その他,日本農薬学会,
上記の例に上げた学会は,
おそらく,我々一般人よりも菌類について造詣が深く,
また,
そのような彼らにおける「きのこ」という表記の使用は,
決してテキトーなものではなく,
「カビ」というカタカナ表記との同時使用を鑑みても
歴とした理由を持ったものである,と考えます。
当方が若かりし頃,
相良直彦先生から習ったことも含めて,
その理由を挙げておきたいと思います。
1.「きのこ」は,生物の分類単位としての名称ではない。
生物の世界では,分類学的にまとまりがある場合には,
その生物群の名称は,カタカナ表記をすることとなっています。
(例えば,チョウは,
一方,「きのこ」は近縁のものの集まりではなく,
これをカタカナ書きをすることは,近縁の分類群の集合体である,
2.「きのこ」は生物名ではない。
「きのこ」は,菌類の作る子実体に付けられた名称です。
つまり,生物につけられた名称ではなく,状態を表す語である,
従って,1.と関わることですが,
「きのこ」とは,
シイタケ,キツネノチャブクロ,キクラゲという,
さらには,
しかし,彼らは,子実体を作る,という1点では共通します。
このことは,菌類学者たちの用いる言葉にも反映します。
「マツタケが子実体を作った」というかわりに,「
今回は、新聞の連載上では、「キノコ」というカタカナ表記が新聞表記で決まっている,
・・・といういろいろと考える機会となりました。
連載第2回で、この表記の違いに気づいた方は、、、かなりの『森へおいでよ』マニアですねw
次回もお楽しみ〜!
0 件のコメント:
コメントを投稿