こんにちは。むしはかせこと岸本×太(ばった)です。
『森へおいでよ』第1回 から
早くも連載が「好評につき」とのことで,
西日本新聞のサイトで,
掲載当日からネットで記事を読めるようになりました!
という訳で,
ここの役割は,もう終わっちゃいましたねっ!
と言いたいところですが,
そうは問屋がおろしませんっ!
その理由を,
ごくごく当たり前のことから書いておきます。
まずは,
掲載用の文章というものは,筆者たちにとっては完成形です。
我々の場合,掲載までに次のような段階を踏みます。
・掲載の10日ほど前における筆者同士での原稿の推敲。
この段階を経て,用いる言葉や言い回しの一つひとつにまで至る「 ちくぜんらく」としての意思統一がなされます。
その言葉や写真を用いたことについて, どんな質問に対しても答えられるようにしておきます。
筆者一人の責任ではなく,「ちくぜんらく」 全体の責任になるのです。
・掲載数日前の編集との原稿のやり取り。
この用語は使えない,説明がいる,など, やはり細かい指示や質問が来ます。
載せる責任が西日本新聞にあるわけですから,当然です。
・前日までのゲラのやり取り。
何もなければ,紙面に掲載されるのと同じ形になって, 眼前に現れます。
でも,誤字だけでなく,
あ,写真,間違ってました,差し替えて!みたいな, なんで今まで誰も気づかなかったの?
というようなこともあります。
また,きれいに並べた結果,こう変えて欲しい, ということがでてきたりまします。
時間の許す限り,
それこそ,掲載前日の夜に訂正をお願いしたこともありますが,
編集していただくことになります。
ああ,水曜が来たぁ,と思われているかもしれません…。
・こうして無事に掲載当日の朝を迎えます。
掲載された記事は,
このような,手間暇をかけて仕上がった,
いわば,血と汗と涙の結晶です。
つまり,変更や訂正の必要など,そもそもないはずのものです。
従って,掲載後に,書き換える必要があるはずもありません!
じゃあ,やっぱり,役割終わってるじゃないか, となりそうですが,
実際は,
紙面の都合で,写真が白黒になったり,
『新聞用字用語集』の制約を受けて, 使えない文字等が発生したり,
と, 筆者の思い入れをそのまま記事にできていない場合もあるのです。
あくまでも,完成形,ではありますが,
筆者の意向に完璧に沿うものではなかったりもするのです。
という訳で,
ここでは,裏話,その他, いろんなおまけの話を補足として添えることと致します!
前置きが長くなりましたが,
まずは,全体を通した約束事を,軽~く公開しておきます。
○本文では,以下の点で「である」調を基本に用いています。
・「ですます」調の前シリーズと書き手が一部重なり, テーマも近そうなため,続きに思われては困ります, ということで。
・掲載できる字数に限りがあり,その字数を稼ぐため。
○見出しも自前で作ることとしました。
・見出し(第1回では「さあ,魅惑の世界へ」という箇所) にも筆者が思いを吹き込みたい,ということで。
これ,8.5字~9.5字という制約があり,実は, 苦労しています…。
○可能な限り,筑豊の各所の紹介につなげていく。
・「筑豊の自然を楽しむ会(ちくぜんらく)」による「 筑豊の自然再発見!」なので当然ですが…。
というようなことです。
次に,第1回での裏話を。
書きたいことは,たくさんありますが,
まずは,目立つところで,
「むし」という表記,敢えて,平仮名にしている理由ですが,
これは,「虫」ではない,という意味を持たせています。
そして,本来「蟲」と書きたいところですが, 新聞では使いづらいため,
「むし」と平仮名表記しているのです。
次に,
写真がたくさんあること。
これは,紹介したい蟲が沢山なこと( 日本だけで種数にして30000種とか60000種とかいるので すよ,昆虫)と
紹介したい人やその表情が沢山なこと。
そして,写真に関してもう一つ,
「むし」そのものの写真が小さいこと。
前シリーズの時から,「むし」の回なのに, 蟲の写真が小さくてよくわからない! って編集から言われることもしばしばでした。
しかし,蟲の写真だけなら, 図鑑やネットでいくらでもきれいなのを見ることができます。
でも,当方は, そもそも大学院でも分類学をしていたわけではありません, 生態学でした。
生態学は何がおもしろいのか,というと, 関係性がおもしろいのです。
蟲と植物,蟲と蟲,蟲と他の動物,…。
で,今は,蟲と人との関係性がおもしろいって思えるのです。
ですから,
蟲をみるその人の表情が大事なのです。
人が写っていなければ,ここではあまり意味を持ちません。
珍しいとかも,ここではあまり価値がありません。
もちろん,珍しい種が撮れる(捕れる)と嬉しいです。
しかし,ここでのテーマにはならないのです。
ということを踏まえて,
No.1の記事を読んでいただくと,
なるほどね,ってお分かりいただけるかもしれません。
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