2016年11月10日木曜日

『森へおいでよ』好評につき。。


こんにちは。むしはかせこと岸本×太(ばった)です。
『森へおいでよ』第1回 から
早くも連載が「好評につき」とのことで,
西日本新聞のサイトで,
掲載当日からネットで記事を読めるようになりました!



という訳で,
ここの役割は,もう終わっちゃいましたねっ!

と言いたいところですが,
そうは問屋がおろしませんっ!

その理由を,
ごくごく当たり前のことから書いておきます。

まずは,
掲載用の文章というものは,筆者たちにとっては完成形です。
我々の場合,掲載までに次のような段階を踏みます。

・掲載の10日ほど前における筆者同士での原稿の推敲。
この段階を経て,用いる言葉や言い回しの一つひとつにまで至る「ちくぜんらく」としての意思統一がなされます。
その言葉や写真を用いたことについて,どんな質問に対しても答えられるようにしておきます。
筆者一人の責任ではなく,「ちくぜんらく」全体の責任になるのです。

・掲載数日前の編集との原稿のやり取り。
この用語は使えない,説明がいる,など,やはり細かい指示や質問が来ます。
載せる責任が西日本新聞にあるわけですから,当然です。

・前日までのゲラのやり取り。
何もなければ,紙面に掲載されるのと同じ形になって,眼前に現れます。
でも,誤字だけでなく,
あ,写真,間違ってました,差し替えて!みたいな,なんで今まで誰も気づかなかったの?
というようなこともあります。
また,きれいに並べた結果,こう変えて欲しい,ということがでてきたりまします。
時間の許す限り,
それこそ,掲載前日の夜に訂正をお願いしたこともありますが,
編集していただくことになります。
ああ,水曜が来たぁ,と思われているかもしれません…。

・こうして無事に掲載当日の朝を迎えます。

掲載された記事は,
このような,手間暇をかけて仕上がった,
いわば,血と汗と涙の結晶です。
つまり,変更や訂正の必要など,そもそもないはずのものです。
従って,掲載後に,書き換える必要があるはずもありません!
じゃあ,やっぱり,役割終わってるじゃないか,となりそうですが,

実際は,

紙面の都合で,写真が白黒になったり,
『新聞用字用語集』の制約を受けて,使えない文字等が発生したり,
と,筆者の思い入れをそのまま記事にできていない場合もあるのです。
あくまでも,完成形,ではありますが,
筆者の意向に完璧に沿うものではなかったりもするのです。

という訳で,

ここでは,裏話,その他,いろんなおまけの話を補足として添えることと致します!


前置きが長くなりましたが,
まずは,全体を通した約束事を,軽~く公開しておきます。

○本文では,以下の点で「である」調を基本に用いています。
・「ですます」調の前シリーズと書き手が一部重なり,テーマも近そうなため,続きに思われては困ります,ということで。
・掲載できる字数に限りがあり,その字数を稼ぐため。

○見出しも自前で作ることとしました。
・見出し(第1回では「さあ,魅惑の世界へ」という箇所)にも筆者が思いを吹き込みたい,ということで。
これ,8.5字~9.5字という制約があり,実は,苦労しています…。

○可能な限り,筑豊の各所の紹介につなげていく。
・「筑豊の自然を楽しむ会(ちくぜんらく)」による「筑豊の自然再発見!」なので当然ですが…。

というようなことです。


次に,第1回での裏話を。
書きたいことは,たくさんありますが,
まずは,目立つところで,
「むし」という表記,敢えて,平仮名にしている理由ですが,
これは,「虫」ではない,という意味を持たせています。
そして,本来「蟲」と書きたいところですが,新聞では使いづらいため,
「むし」と平仮名表記しているのです。

次に,
写真がたくさんあること。
これは,紹介したい蟲が沢山なこと(日本だけで種数にして30000種とか60000種とかいるのですよ,昆虫)と
紹介したい人やその表情が沢山なこと。

そして,写真に関してもう一つ,
「むし」そのものの写真が小さいこと。
前シリーズの時から,「むし」の回なのに,蟲の写真が小さくてよくわからない!って編集から言われることもしばしばでした。
しかし,蟲の写真だけなら,図鑑やネットでいくらでもきれいなのを見ることができます。
でも,当方は,そもそも大学院でも分類学をしていたわけではありません,生態学でした。
生態学は何がおもしろいのか,というと,関係性がおもしろいのです。
蟲と植物,蟲と蟲,蟲と他の動物,…。
で,今は,蟲と人との関係性がおもしろいって思えるのです。
ですから,
蟲をみるその人の表情が大事なのです。
人が写っていなければ,ここではあまり意味を持ちません。
珍しいとかも,ここではあまり価値がありません。
もちろん,珍しい種が撮れる(捕れる)と嬉しいです。
しかし,ここでのテーマにはならないのです。

ということを踏まえて,
No.1の記事を読んでいただくと,
なるほどね,ってお分かりいただけるかもしれません。

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